クレジットカードの基本機能にはショッピング機能とキャッシング機能がある。クレジットカード本来の目的は現金を持ちあることなく買い物ができるということで、その意味ではショッピング機能はクレジットカードの基幹となるサービスだ。キャッシング機能は利用枠をゼロにすることで利用しないことも可能だが、ショッピング機能を利用しないのであればクレジットカードを持つ意味はない。キャッシング機能はクレジットカード会社の利益を確保するために付加されたサービスであると考えることもできる。
1. ショッピング機能
ショッピング機能のしくみは立替払とも呼ばれている。クレジットカード会員に代わってクレジットカード会社がクレジットカード加盟店に商品代金を立て替えて支払うためだ。このしくみは信販会社が取り扱っているショッピングクレジットと同じだ。クレジットカードでは審査を通過すればカード利用枠の範囲内で何度でも繰り返し利用できるので、ショッピングクレジットに比べて小額利用を繰り返すのに適している。ショッピングクレジットは利用するたびに契約する必要があるが、長期の支払回数が指定できるので高額利用に適している。
カードショッピングでは現金で支払う代わりにクレジットカードを提示してからオーソリゼーションを受け、クレジットカード会社に承認された場合にカード伝票にサインして商品を持ち帰ることができる。この点でもショッピングクレジットでは契約書の作成と承認までに時間がかかるので、クレジットカードのほうが利用しやすい。
オーソリゼーションはクレジットカード会社にクレジットカードが利用できる状態かどうかを照会することで、CAT端末機を利用して行うのが一般的だ。インプリンターを利用した手動の作業ではオーソリゼーションは3万円以上でなければ必要ないが、CAT端末機を使用した場合は全件オーソリゼーションを行う。しかし、CAT端末機での処理には1分もかからずカード伝票も自動で作成されるので、決済にかかる時間は少ない。またCAT端末機を使用することでカードの不正利用を未然に防ぐこともできる。
インプリンターを使用した場合にはフロアーリミットと呼ばれるオーソリゼーションが不要な金額が存在する。そのため無効カードでも一定金額以下では不正利用されてしまうのだ。CAT端末機を利用することで全件オーソリゼーションが義務付けられるので、こうした不正利用はできなくなる。全件オーソリゼーションはフロアーリミットがなくなることを意味するのでゼロフロアーリミットとも呼ばれている。クレジットカード会社にとってはCAT端末機の普及は不正防止の意味でも重要な課題だ。
カードショッピングではカード伝票にサインすることで、クレジットカード加盟店がクレジットカード裏面のサインと照合し、正規のクレジットカード会員であることを確認している。そのためクレジットカード裏面のサインパネルにサインをすることはクレジットカード会員の義務であり、サインなしで悪用された場合にはカード盗難保険が適用されない。ICチップがあるICカードではサインの代わりに暗証番号を入力することが原則だ。サインよりも安全性が高く本人確認が容易となるが、ICカードに対応していないCAT端末機ではサインを求められることがある。そのためICカードであってもクレジットカードへのサインは必須だ。
2. キャッシング機能
クレジットカードのキャッシング機能はクレジットカード会社からお金を借りることができる機能だ。キャッシングは貸金業法の規制対象となっているため、2009年6月までには上限金利が20%を超えることはできなくなる。しかし、クレジットカード各社は前倒しをして金利引き下げに対応しているため、それ以前からキャッシング金利の標準を18%以下にしているクレジットカード会社がほとんどだ。それでも金利水準としては高いのでキャッシングを利用する場合には十分注意する必要がある。なるべく小額で借入期間も短期間にすることでキャッシングは有効活用することができる。
キャッシングのメリットはすぐに借入できるという点だ。クレジットカード会社のATMや提携金融機関、コンビニATMなどで借入ができるほか、電話やインターネットでも借入申し込みができることが最大のメリットになる。その分金利が高いと解釈することもできるが、やはりクレジットカード会社の利益を優先している点も否定できない。そのためキャッシングを利用する場合は小額・短期間での利用が原則となる。
実際、時間外にATMから預金を引き出すと金額に関係なく210円が時間外手数料として取られる。これをキャッシング利用すると、5万円を1週間借入しても172円の金利負担にしかならない。1万円を3日後に返済すれば15円の金利ですむのだ。
キャッシングが多重債務の原因となったのは利用枠いっぱいまで借入して、返済のために他のクレジットカードで借入するという行為を繰り返していたからだ。健全な利用をすればキャッシングは決して多重債務の原因とはならない。そのためにはリボ払いではなく1回払いを利用し短期で返済をすることが大前提となる。さらに金利負担を軽減したいのであればクレジットカードのキャッシングではなく低金利のカードローンを持ち、キャッシング利用枠はゼロにするといいだろう。つまりクレジットカードはショッピング専用として利用し、万一のためのキャッシング用としてカードローンを持つのだ。
キャッシング利用はクレジットカード審査にもあまり良い影響は与えない。キャッシングの利用率が高いほどクレジットカード審査ではマイナスの評価となるからだ。貸金業法改正により貸付金額も年収の1/3までに制限されることが決まっているため、クレジットカード会社では既存のクレジットカードでも限度を超えたキャッシング利用枠を使えなくするといった措置をとる動きがある。今後はクレジットカードの機能も使い分けて利用する必要がある。
・クレジットカードをランキングして比較する場合、サイト管理者の主観で行われる。だから本当に自分にとって得するカードかどうかはサービス内容をよくチェックして判断する必要がある。クレジットカード比較は自分が必要としてるサービスを比較するのが原則。
・年会費無料のクレジットカードを比較する場合はそれ以外のサービスを比べる前に条件付きの無料かどうかを見てみよう。条件付き年会費無料のカードは他のサービスも充実しているのでお得。
・ゴールドカードは2極化が進んでいる。20代向けの年会費が安いものとサービスの質を高めた高級志向のものが発行されている。セディナから新しく発行されたPremiumやAXUなどは高級志向のゴールドカードだ。既存のセディナカードゴールドとは明らかに傾向が違う。
・クレジットカードの現金化だけはおすすめできない。詐欺だからだ。詐欺罪で訴えるためには業者とカード会員を訴えることになるので、クレジットカード会社がためらっているだけに過ぎない。違法行為であることには間違いがない。
・クレジットカードを銀行系、流通系、信販系と分けることは今ではあまり意味が無いことだ。流通系のサービスを提供していても実際は銀行子会社という事が多いからだ。提供しているサービスで区分する方が分類としては適切かもしれない。
・共通ポイントと呼ばれているTポイントやPontaもクレジットカード機能付きのカードが発行されている。メインカードに電子マネー機能を付帯して、サブカードで共通ポイントを貯めると効率がいい。共通ポイントはクレジットカード決済しなくても付与されるからだ。